あっちゃんとわこさんの田んぼの脱穀が終わった。
春に引っ越してから、ほんの少しだけど、この田んぼに関わることができた。
関わったといっても、代掻き、田植え、雑草取り(1回だけ)、稲刈り、脱穀というポイントでしか作業をしていないし、作業といっても1回にほんの数時間程度。
それでも、田んぼから学ぶこと、感じたことは多かった。
「ぼくも田んぼをやろう!」なんてことは安易に思わないし、思えない。
それだけ、お米をつくるというのは、想像以上に大変そうに見えた。
一方でとても魅力的なことであることも事実。
さて、昨日、寝るときに思ったこと。
「ぼくは一生のうちにどれくらいの面積のお米を食べるのだろうか。」
仮に、たくさん食べる時期、あまり食べない時期はあるとしても、生まれてから死ぬまでに、毎日一合のお米を食べるとする。
80歳までに、一合×365日×80年=29200合=4380kg
ぴんときません。
調べてみると、農林水産省のHPにこんなのがありました。
「一俵分の米を作るには、どれくらいの田んぼが必要ですか。」
これによると、
米の単位面積当たりの収量は、その年によって、また、地域によっても違いがあります。作柄がやや不良だった平成18年産水稲の全国平均の10a当たり収量(玄米ベース)は507kgでしたが、全国平均の10a当たり平年収量(玄米ベース)は529kgでした。これらの数字を使って、一俵分の玄米60kgを生産するのに必要な水田の面積を計算すると、平成18年産の収量を基にした場合は約118平方メートル、平年収量を基にした場合は約113平方メートルとなります。(http://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/0709/03.htmlより引用)
ということなので、60kgを生産するのに必要なのは、ざっくり115平米としよう。
だから、80年間で食べるお米4380kgに必要な面積は、約8395平米、約2540坪...。
テニスコートが175坪くらいということなので、テニスコートが14.5個分。
ちょっとは面積のイメージがわいてきました。
けっこうな面積を食べてるなぁ。
1年間で考えてみよう。
ざっくり、1年間にお米を60kg食べるとして、115平米、約35坪、だいたい畳17.5枚分。
これだけの量のお米を自分の手でつくる。
想像してみよう。
家族だとどうだろう。1年間に家族でどれだけの面積のお米を食べているか。
我が子が通う保育園や小学校の子どもたちが1年間に給食で食べるお米の量とその面積ってどうなんだろう。
4380kgのお米をつくるのに必要な水の量ってどれくらいだろう?
などと考えていくと、いろいろなものの循環、関わりを無視できなくなってくる。
お米の売買禁止。お米と何かを交換することも禁止。自分で食べるお米は、自分でつくること。
そうなったら僕はどうするだろう。
お米以外のものを食べるだろうか。
それとも、自分の手でお米をつくるようになるだろうか。
おにぎりも好きだし、寿司も大好きだ。
漬物も欠かせない。
それに、焼き魚にはやっぱりお米だ。鮭や秋刀魚にパンなんて考えられない。
だから、きっとお米を自分の手でつくるようになるんじゃないだろうか。
そしたら...。
家族での作業が増え、
隣近所との協力も増え、
天候を気にし、
四季を感じ、
いろいろなものの循環、関わりを実感する。
そしたら、世の中、もっとよくなるんじゃないだろうか。
単純な考えだけど。
面白法人カヤックの経営理念の「つくる人を増やす。」
僕は強くこれに共感している。
自分が食べる分のお米を自分でつくるのが現実的でないとしても、
一生の何かのうちの、ほんの少しでいいから、
自分が食べるもの、自分が身に付けるもの、自分が使うものなどを自分の手でつくり出す。
お金でいろいろ買えて、お金でいろいろやってもらえる時代だからこそ、そんなことって、大事なんじゃないかと思う。
そんなことが実感できた、田んぼとの関わりでした。
あっちゃん、わこさん、ありがとうございました。
さて、僕は何をつくりだそうか。