「ねぇ、おとうさん、死ぬ?こた、死にたくないんだけど。どうやったら死なないの?」
コタロウは最近、「死ぬ」ということに恐れがあるらしい。
きっかけは何だったんだろう。つかめていない。
「おとうさんも死ぬよ。コタも死ぬよ。命があれば、ぜったいに死ぬよ。」
「えー、やだー、死にたくない。」
「そっかぁ、死にたくないか、じゃあ、命を少しずつ大きくしていかないとね。」
「どうすんの?」
「いっぱいご飯を食べる、いっぱい勉強する、いっぱい仲良しになる。この3つ。」
「ご飯食べてー、勉強してー...あとなんだっけ??」
「カンタやカイノスケやモユとも、お母さんやお父さんや、お友達や動物とか花とか木とか、みーんなと仲良しにする。」
「あ、そっか。」
我ながら安易な3つですが、コタロウにはけっこう伝わっている感じです。
「命、大きくなった?」とぎゅっと胸のあたりを握って訊いてきます。
これで少しカッとなることも減るといいのだが...。