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2014年2月23日

備忘録:大雪の一週間

ある程度の記憶があるうちに書き留めておきます。

2月14日(金) 
大雪の中、通常通りぴっぴの保育。14時のお迎えも問題なし。定例のスタッフ会議をするものの、帰宅の安全性を考えて16時半に終了。帰宅後、車庫前を除雪しながら、中途半端なかまくらを仕上げる。我ながら、いい出来具合。

翌日の東京での予定も考えて、今夜から東京に移動しようか迷い、定宿に連絡するものの満室とのことでやめておく。

普通の夜を過ごし、就寝...。

2月15日(土)
5時起床。
窓の外の光景に唖然。
想像以上の積雪量。
北海道出身の身でも、一晩で体験する積雪としては最大。
公式な発表では99cmとのことだったが、場所によっては1m以上。

この日は大切な方のご葬儀が東京である日。
車を出せない上、腰までの積雪量、長野新幹線も運休ということで、状況を諦める。

それでも降り続ける雪。
とにかく一日中自宅の除雪。
やっとたどり着いた郵便受けにはこの日ご葬儀だった西原由記子さんが創設した自殺防止センターからのニュースレターが届いていた。

子ども達が大雪に喜ぶ中、除雪道具の確認、停電に備えての準備、軽井沢住民のFacebookで情報収集。

「月曜日はぴっぴ休園」のアナウンスをする。
小学校、保育園も月曜日は休校・休園の案内が届く。

この日は自宅周辺からは一歩も出られず。
どうなることやら...と思いながらモーラステープを腰に貼り就寝。


2月16日(日)
晴れ。
午前中、自宅をひたすら除雪。なんとか車を出したいと思う。

腰までの雪を150mほどかき分けて、自宅近くの南原通りまで出てみる。
除雪車の姿が見える。

Facebookで除雪の状況、国道18号バイパスの車の立ち往生のこと、スーパー等の営業状況が投稿されるが全体像がつかみきれない。
天気がいいこともあるので、歩いて町内を回ってみることに。
万が一に備えて、それなりの装備。棒があった方がいいと思い、適当なものを探す。

11時半出発。 その時の様子はこちら。ぐるりと周り16時20分頃自宅到着。
途中、南ヶ丘別荘地内を腰の深さほどの雪をラッセルして500mほど進む。かなりしんどかった...。

休憩後、自宅の除雪作業を再開し、歩いたことのふりかえり。
特に、国道18号バイパスで立ち往生している車の運転手さんたちの状況が気になる。

この日の22時頃、Facebookで「【重要】軽井沢 大雪対策情報&SOS! 情報シェアグループ」が立ち上がる。(発起人はぴっぴ保護者でもある森さん) 複数人いる管理者の一人に指名される。
ここでのやり取りが非常に有益だった。
阪神淡路大震災のVCOMからの流れだろうなぁ。

ぴっぴは当面の間は休園という合意形成と保護者連絡。

早めに就寝。

2月17日(月)

前日子ども達が遊んでプラスチックの除雪スコップを破損した様子。腹立つ。

金属製の剣先スコップを使って、自宅から南原通に出られるように歩道づくりの除雪。

作業しながらも立ち往生しているバイパスの車の列が気になる。
かと言って、自宅周辺のことを放っておくわけにもいかない。ぴっぴの森のことも気になる。限界を感じ、9時54分、FacebookにてSOS発信。

午後、自宅周辺以外には足を踏み入れていない家族を連れて国道18号バイパスの状況を確認しに行く。状況にはほとんど変化なし。

SOSを受けて、アリーがスコップ2本抱えて15時頃到着。素早い。楽天で一緒だった小川くんからも19日朝に軽井沢入りする連絡が入る。

アリーは到着後すぐに自宅から定住者が多く住む方面に向かって歩道づくりの除雪。
ご近所さんと合流し、作業の目途がつく。

アリーと2人でバイパスへ。
自衛隊、警察の人、ドライバーにどんどん声をかけるアリー。
そこでつかんだ情報をドライバーの方へ伝えたり、ドライバーの声を拾っていく。
夕方頃、車が次々と動き始め、立ち往生の解消が見え始める。

子ども達はアリーの到着に大喜び。ひとしきり遊び、ご飯と共にし、一緒に風呂に入る。
拡大家族なアリーです。

20日に予定していた東京学芸大学附属世田谷小学校の保護者の方向けの講演に出向くことを断念。
話してみたいテーマだったのでとても残念。関係者の方にもご迷惑をおかけしました。

気になっていた車の立ち往生の列が解消された次にすべきことはなんだろうなぁと思いながら就寝。

2月18日(火)
朝の支度をしながら、Facebookの「【重要】軽井沢 大雪対策情報&SOS! 情報シェアグループ」に道路の除雪状況の情報を集め、それを地図に落とし込み共有することをふと思いつく。
8時頃、そういった主旨の投稿をする。

ぴっぴ保護者の新井さんに車を出して頂き、午前中にぴっぴの森方面へ。
除雪は進んでいるものの、途中の道路状況の悪さに愕然とする。
ぴっぴの森までは車では行けず、途中からは徒歩。
ただ、重機での除雪が始まっている。
道中、定住されていてぴっぴの散歩でも時々お会いする方にも声をかける。みなさん無事。
森に隣接し施設も利用し、お世話になっている軽井沢フェローシップバイブルキャンプのスタッフと再会。
互いの無事を喜ぶ。

バイブルキャンプも歩道は確保されているものの、車はまったく無理。
ここで子どもが遊ぶのにはしばらく時間がかかるのでは...。
加えてアクセス道路の除雪状況の悪さ。しばらく代替地での保育を検討しなければいけないのでは...という思いになる。

朝、投稿した地図のアイディアを、お昼には梶浦さんがgoogle map を活用して実装してくださった。すごいスピード。梶浦さん、これまたぴっぴ保護者。

午後、小学生3人を引き連れて徒歩で通学路の確認。
いつものルートは歩道がまったくない上に交通量が多いバイパスということで断念。
別ルートでツルヤまで行くもののいつもの倍近い時間がかかり、子どもだけでは危険が多すぎる。ツルヤでアイスを買い、休憩。そこからまた歩いて帰宅。とにかく歩くしかない。

そんな中、ぴっぴ保護者の土屋さんから連絡が入る。明朝、我が家の前の道を重機で除雪してくださるとのこと!大感激。

アリーと久々に夜遅くまで語り合う。

2月19日(水)
朝早く、軽井沢産業さんに重機で除雪して頂く。いろいろなところからの依頼も多い中、大感謝。

9時頃、小川くん到着。「よっしー!」と子ども達大喜び。

軽トラを出せるように除雪。
車が動くというのはすばらしー。
軽トラを動かして、ぴっぴの森、バイブルキャンプへ。
バイブルキャンプのスタッフのシュトックさん、エスタさん、ここでフリースクールを運営しているゆき先生、そしてそこの中高生が駐車場の除雪作業をしている。子ども達の生活の場を守ろうと必死な姿。アリー、小川くんと共に除雪作業を手伝う。

昼食のために帰宅。
まゆさんにバイブルキャンプにも重機が必要ということを伝え、土屋さんにお願いしてもらうことに。20日の午後に重機での除雪が決定。

午後、再度バイブルキャンプでひたすら除雪。
帰りに軽トラパンク。おそらく荷台に乗る小川くんの体重オーバーが原因。他のタイヤも状況が悪かったので、念のため、4本とも新しいタイヤに交換。

タイヤ交換の最中、大雪後初のツルヤへ。ビール調達。

小川くんを「よっしー」と呼ぶ我が家の子ども達も大盛り上がり。

明日から学校再開の連絡が来る。
夕食時に、小学生のモユ、コタ、カンタのそれぞれに「学校に行きたいか。安全に行けると思うかどうか」を確認する。結果、モユは登校、コタ、カンタは休むことに。僕はPTAの役員としてツルヤからの集団登校の引率を担うことに。

除雪作業が進まず、未だ孤立し体調も崩している方の情報がやりとりされることが目立つようになる。

2月20日(木)
歩道がない塩沢交差点までモユを車に乗せる。そこからツルヤまでは徒歩。
ツルヤに集合する子ども達も久々の学校再開にうれしそう。26人が集まる。

せっかくなので元気な声をはりあげる儀式をして、集団登校出発。
(「お父さんのことだからどうせ何かやるかと思ったけど、あれは恥ずかしいからやめて」と帰宅後モユに言われる。)
まだまだ危険なところはたくさんあるが、大人も子どもも慣れていくしかない。

集団登校引率後、中軽井沢の事務所へ。除雪をして頂いた近隣の方にご挨拶。

10時半頃、バイブルキャンプへ行くと、すでに他の4人のスタッフが除雪作業。大雪後、初めてスタッフが顔を揃えることができた。お昼ご飯を挟んでひたすら除雪、諸々相談。

連日の晴天もあり、少しずつではあるが道路状況が改善されるのを実感する。

カイノスケの同級生の高橋さん、ずっと東京で足止めされていたのが、やっとこの日、軽井沢に戻られる。お願いしていたタイヤチェーンを受け取る。

アリー、よっしーと共に自宅からアルファードを出せるように除雪。
無事成功。

2月21日(金)

モユ、コタ、カンタは小学校へ、カイノスケは保育園へ。

集団登校を引率していた保護者の一人が転倒。救急車を呼ぶことに。幸い大事には至らず。
まだまだ安全とはいえない通学路。

午前中はぴっぴの森の環境整備。午後は打ち合わせ。一週間の休園後なので、やること満載。

自宅に戻ってみると、アリー&よっしーが薪運びまでやってくれていた。感謝。

明日、アリー&よっしーがそれぞれの所へ帰ることになり、みんなで打ち上げ。

2月22日(土)
東京の保育園時代の仲間が集い二分の一成人式をするということで、コタロウとアヤは東京へ。
アリー&よっしーと一緒の新幹線で楽しそうな旅行気分。コタロウはヨッシーに渋谷で楽しいところに連れて行ってもらった様子。

月曜日のぴっぴの再開に向けて、保護者の方にもたくさん協力してもらって午前中いっぱいはぴっぴの森の環境整備。
この一週間の近況報告もしながらひたすら除雪。
ご主人が長期出張で不在の家庭の奮闘、3日間も車中だったという方など、みんなそれぞれこの大雪を乗り越えてきた様子。

想像以上に作業が捗る。ありがたい。

午後は自宅周辺の気になるところの除雪作業。

ここまで来ると、腰とか肩が痛いとかは感じなくなる。

2月23日(日)
起床すると身体中がバリバリ痛い。昨日までは大丈夫だったのに...。

たまっていたメール処理、デスクワークの一日。

今日はスコップを握らなかった。

明日はぴっぴ再開。

子ども達にとっては生活の場。この生活の場を守るのが、今の大切な仕事。

明日が待ち遠しい。


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