「これ何?」
一日の間に、何度もコタロウは本を片手にこう質問する。
まだカタカナの読みがおぼつかない彼は、カタカナに出くわすと、ひとつひとつその読みを確認しながら読み進めていく。
ひとつひとつちゃんと理解したいのだろう。
わからない文字を読み飛ばさない人。
モユ。
大人の本棚から勝手に本を出しては、適当に読んでいるが、読めないような漢字はどんどんすっとばして読んでいるらしい。
「ね、それ読めてるの?」
「うん、だいたいね。」
わからない文字を読み飛ばす人。
読み飛ばすか読み飛ばさないか、それぞれの「らしさ」を感じます。