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2008年12月22日

鉄平石、貞松院、砂漠

スーパーあずさ5号に乗って上諏訪へ。

鉄平石の石切り場が今日の目的地の一箇所目。
外壁と内壁に使うための鉄平石。
これを実際に見て、切り方や積み方を確認するのが目的。

石切り場というところに初めて足を踏み入れる。

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石だから当然、自然のものである。
今回、求めているのは、「できるだけ自然な感じ」のもの。
でも、切り出され加工された鉄平石は、ある規格で揃えられている。


なぜか。
運搬コストと積み上げるコストを下げるため。
ここらへんは、野菜や果物の大きさや形が同じものが多いのと論理が似ている。


本来、自然なものである石に「なるべく自然なものを」とリクエストをするのも不思議な感じだが、
この「自然な感じのものを」というのがなかなか難しいということが、わかった。


加工し部品として扱おうとすると、それは工業製品になり規格化される。
規格化していないものを手に入れようとすると、逆にコストがアップする。
もしくは、「不良品」や「捨てられているもの」から、それを探すことになる。


規格化されているものを求める人もいれば、
そうでないものを求める人もいる。


何かに似てるなぁ。


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美しい。

この石切り場にあった50年以上前に立てられた室(むろ)。
この近くに飯場があり、冷蔵庫の代わりにこの室を使っていたとのこと。

こんなふうになるといいのだが…。


目的地の2箇所目。

正願寺かと思って、タクシーの運転手にその寺の名前を告げたが、実際はその隣にあった貞松院だった。
どうやらこのあたりは4つくらいの寺院が隣接しているらしい。


空間的な記憶はけっこう優れているらしく、彼のお墓はすぐに見つかった。
久しぶりの墓参り。


1996年3月18日、もしくは翌日か翌々日の夜。
家庭教師のバイトを終え、車を運転している時に、やっと手に入れた携帯電話に、たしかタツキから電話が入り、彼の死を知った。

それからすぐ次の日だったか、上諏訪駅には学生時代の同級生が久々に集まった。
「こんなふうになってから集まっても遅い」と思ったし、実際に、そう言葉にした記憶がある。


その何年後かにお墓参りに来た。
そのときにも「真澄」というお酒を買ったし、今日も買った。
T田とG大は、「万澄」という後輩を巡っていろいろあり、
何回か、この「真澄」を一緒に飲んだ。
万澄を飲んでいた気分だったんだろうが、飲み込まれていたのは彼らのほうだった。

「上諏訪に鉄平石の石切り場がある」と聞いたときから、
なんだかこう縁のようなものを勝手に感じたわけだが、
やっぱりそういうもんなのかなとも思う。

彼と初めて出会ったのは、AO入試の面接の時。
彼は「一浪している」と言っていたので、正直僕は「一浪で自己推薦に受かるわけないだろ?」と思っていた。
だから、入学後に彼にキャンパスで再会し、かなり驚いた。


往復の車中で読んだ小説が、学生時代を書いたものだったから、
なんとなくいろいろなことを思い出した上諏訪訪問だった。


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砂漠(伊坂幸太郎、実業之日本社)

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