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2003年10月14日

「よみがえる高校」 河野啓

北海道余市町にある北星学園余市高校を、12年間取材しているHBC(北海道文化放送)のテレビマンが書いた本。

なにやら最近は、ここをモデルにしたドラマ「ヤンキー母校に帰る」も放映されていて、
竹野内豊が主演しているらしい。

軽いドラマになってないことを祈る。

この竹野内豊が演じている主人公のモデルになっているのが義家弘介氏。
ヤンキー母校に生きる」の著者だ。

編入して二ヵ月後、強歩遠足の前日に、ヨシイエは寮で三年生を殴った。 なおも暴れているところにタイミング悪く、謹慎処分の開けた数人の三年生が寮に帰ってきた。彼らはたちまちヨシイエを囲むと、「おまえ、先輩殴ってといて、このオトシマエどうつけるんだ?」と凄味をきかせた。

するとヨシイエは「これが俺のオトシマエだ!」と叫んで、なんと両足の指の爪をペンチで一つずつ剥いでいったのだ。そのエキセントリックな行動に全員が言葉を失った。噂はすぐに学校中に広まり、彼をなおさら近寄りがたい存在にさせた。翌日、ヨシイエは、痛い足を引きずるようにして30キロを歩ききった。

「よみがえる高校」 河野啓

足の爪を全部自ら剥がして、次の日に30キロ歩く強歩遠足に出る。

狂っている。

その彼が、後に大学に進学し、塾講師をしながら、母校が新規採用するのを待ち、1999年に母校に先生として戻ったのだ。


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北星余市。

何回かこの北星余市のドキュメンタリーは見たことある。

正直言って、怖い現場だ。

何度か見学に行ってみたいと思いつつも、怖くていけない。
中途半端な気持ちじゃ、打ちのめされて帰ってくるのが目に見えている。

「学校」なんかではなく、真剣勝負、闘いの場だるう。

先生、生徒、そして地域の人が、闘っている。

親は少し離れたところで、闘いに参加している人もいれば、
傍観を決め込んだり、関わりを拒否している人もいる。

別に、ここは夢のような理想の場ではない。
集団の大麻事件も起こった。きれいごとの学校ではない。

でも、しっかりとした魅力のある教育の現場であることは間違いない。
憧れる。
ただ、そこで働けるかというと、自信はない。

間違いなく、プロの教員、プロの先生が集まる学校なんだろうな。

必要とされている学校。でも、誰もどこも真似できない学校。

北星余市、すげえなあ。

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コメント (4)

7年前、まだ学生だった頃、静岡県の教委で不登校児のキャンプをオーガナイズしていました。
中学生を対象にしたキャンプだったんだけど、このキャンプの卒業生も顔を出すことがありました。
そのメンバーの1人が北星余市に進学したという話をきいて、どんな学校なのか話を聞いたことがあります。
彼女の言った言葉がまだ心に残ってる。
「(学校には)しょうもないヤツばかりだけど、きちんと正面を見て話してくれる。先生も、寮母さんも。」

先週の週刊文春で、義家さんが阿川さんと対談をしていました。
「学校が家庭の役割も果たしている」
「まずクラスありき、ではなくてまず個人ありきの学校つくり」
「徹底的にやる」
心に残ってる言葉。

ドラマも見たけど、むむ、軽い感じがしました。残念だけど、「ヤンキー」にフォーカスされすぎる感があり。
何も知らない人に人物背景を見せるためには必要なんだろうけど、セリフに必然性がない感じ。

後輩:

お久しぶりです。同郷の後輩の宇佐見です。
僕もドキュメント見ました。
同校は学校というよりは人間を育てる場であると思います。確かに毎日格闘ですよね。
でも義家さんの戦いには一貫して「愛」がありますよね。自分の子供や弟のように生徒に接する。だからこそ真剣に怒れるし、心から笑えるんだなと思います。
自分も今年最終学年として後輩に怒らなければならない場面が増えました。厳しく接するのは誰でも好きではないと思うのですが、やっぱり間違っていることに対して甘くしてしまうと、どちらにとってもプラスにはならないことがわかりました。僕は今年スポーツを通じて人間関係の根本的な部分を、少しだけ理解できたような気がします。
教育は難しい・・・

それではまた。
失礼します。

p.s.
僕も「ドライブ」はいまいちだと思いました。
「MONDAY」は面白いと思いました。

昨日、この本、立ち読みした。冒頭の焼き肉パーティのシーンまで読んだ。足のツメの逸話は知らなかった。

ドラマ観ました。第1回はちょっと強引かな…という気がしたけど、軽いとは思わなかったな。自分のことを思い出しながら、つい見入っちゃったよ。ああ、自分のときもこういう先生だったなーって。たぶん最後まで見ると思う。ドキュメントのDVDもリリースされるので、ちょっと見たい。

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