年末年始は北海道へ帰省。
十何年ぶりにスキーをし、足はパンパン腰はガキガキ。
身体全体を使わずに脚の力で強引に滑っているということでしょうか。
トマムで滑ったのだけど、これまた小学生の時以来。
当時はリフトはみんな柱も黒で統一されていた記憶があるけれど、今は緑だった。
施設もそれなりに老朽化していて、これを維持し、リゾートとして運営するのも大変だろうなぁ。
1月2日、実家から車で15分くらいのところにある母方の祖父母の家、「やまのばあちゃんち」へ。
といっても、やまのじいちゃんもやまのばあちゃんもこの世にはいなくて、
その家には母の弟が住んでいる。
彼のことを、僕らはずっと小さいころから「しょうじちゃん」と呼んでいて、もう55歳だというのに、いまだに「しょうじちゃん」と呼ぶ。
トイレとお風呂が新しくなっていた。今年の夏、工事をしたのだという。
けっこう古くなってたもんなぁ。
「この家ができたのって、しょうじちゃんが何歳の時?」
「ん?!小学校3年生、そんくらいのときじゃねぇか」
「じゃあ、10歳だ。ということは、この家は、築45年なんだ。」
「んー。」
お正月やお盆の時は、この家にはわんさと人が集まった。
母は8人兄弟姉妹だったから、いとこは20人くらい。
上下5歳くらいにぐちゃーっとかたまっているもんだから、みんなが集まると叫び声や泣き声やら大騒ぎ。
ご飯もなんだかよくわからない状態。
どうやって寝てったっけ。
お正月には居間の真ん中にどかんとある薪ストーブの周りでポーカーやら花札、応接間っぽい部屋では麻雀が。仏間では百人一首。
もらったはずのお年玉がそこで減ったり増えたり。
ある時、そうやってみんなで騒いでいたら、ネズミが現れた。
ばあちゃんは、素早い動きで尻尾をつかみ、薪ストーブの扉をあけ、当然のようにその炎の中にネズミを放り投げた。
それをしっかり目撃していても、声をあげることもできず、何事もなかったように、またそれぞれの遊びを続けた。
あの頃、ばあちゃんは何歳だったんだろうか...。
ばあちゃんちの居間の板張りの天井は、黒く光っている。
僕の記憶では、ずっと黒く光っている。
僕が小さい頃から親しんでいる建物の中で一番古いのが、この築45年のやまのばあちゃんち。
これから先、この家を取り壊したり建て替えなければいけない状況になった時は、あの黒く光っている天井の板を一枚もらおう。