4月27日、自宅を設計してもらった泉幸甫さんに誘われ、栃木県鹿沼市の深岩石、宇都宮の大谷石の採掘場へ。
まずは、深岩石。
山を見ながらのどかな道を車で走っていると、車中が「おぉー!」というドヨメキ。
すごい光景です。
見事に山が切り取られています。美しい!
現場に到着。
まっすぐです。
スケール感がわかりにくいので人が写っている写真を。
上の写真の人の右側にあるのが、この岩を切り取っている機械。
これで30人分の仕事をするそうです。
ということは、昔はこの現場には、もっと人がたくさんいて、手で岩を切り取っていたということ。
さぞかし、にぎやかだったんだろうなぁ。
この写真の真ん中より少し左側、他の部分と表面がちょっと違って、少しざらっとしているところ、
ここは大正時代に手で切り取っていた時の面とのこと。
手だよ、手。
さて、昼ごはんを食べた後、大谷石の採掘場へ。
今度は、地下にもぐるのだが、到着したところには「セメント」などの看板が...。
え?ここ? 周辺の雰囲気からしても、ここで石が採掘されているとはどうも思えない。
まずは入口。
そしてどんどん階段で降りていく。
この階段、一応、鉄製なのだが...、錆びていたりとなんだか心もとない。
途中は木製の階段などもあり、高所恐怖症の人は絶対に無理だろう。
結局、70mほどもぐっていく。
どかーん、どかーん、どかーん。
これ、写真だと空間のすごさがまったく伝わってませんが、すごいんです。
壁みたいなの、天井みたいなの、床みたいなの、すべて「岩」。
そして、巨大な空間です。
こんなに大きな空間があって、上のほうは大丈夫なのか、と心配になるくらいです。
この大きな地下空間で仕事をしているのは3人。
一番奥で一人で切り出しをしていたのは、この人。
履いているのは、EDWINのジーンズ。
絵になってます。かっこいい。
「今?71歳。15歳の頃からこの仕事してるからなぁ。え?そうか、56年間にもなるか。」(栃木弁で)
もしかするとこのおじさん、人生の中で日光に当たっている時間、かなり短いんじゃないだろうか。
そして、この地下で働いている3人は、みなさん70歳以上。
若い人は、すぐに辞めていくそう。
毎日、歩いて階段を2往復し、地下で肉体労働。
新しい担い手もいないそうです。
そして、この70歳代の3人の方が、仕事が続けられなくなれば、この採掘場は閉鎖するとのこと。同じようなことが、他の大谷石の現場でも起こっているらしい。
担い手がいなくなり、産業が消えていく。
いろいろな場所で同じようなことが起き、人の手仕事が消え、画一的なものが増える。
止められない流れなのでしょうか。