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2004年12月14日

boy live。「僕たちむちゃくちゃ練習してます。」

boy の live に行った。

boy というのは代官山にある美容院で、茂木正行さんという人がやっている。

別にそこで髪の毛を切っているわけでもないのだが、
ある人が茂木さんを紹介してくれて、お昼を一緒に食べる機会があった。

boy がどんな美容院なのかはぜんぜん知らない。
Web サイト見ても、正直わからん。

茂木さんは、どうやら海外でも成功して、で、「ハズシ」というのをつくった人らしいが、「ハズシ」が何なのかは全然わからない。

金髪、派手な服装。やさしく鋭い眼光。
第一印象は、うげーだったが、すっごい楽しいランチだった。
彼の子育ての話は最高におもしろい。

で、そのときに「今度 live をやるからいらしてください。」と誘われた。

僕がここ4年くらいずっとお世話になっている美容師さんに、
「茂木正行さんって知ってます?」と、髪を切ってもらいながら聞いてみた。

たぶん50歳前後のその美容師、Hさんにずっとお世話になっているのには訳があって、
Hさんの話がすごくいつも魅力的なのだ。
山登りの話、沖縄の旅行、社会問題、インターネット、自然のこと、食べ物のこと。
本当に物知りだし、そして、静かな雰囲気の方で、
彼との時間が大好きでそこに通っている。

「あの人は、本当に海外で成功した数少ない日本人の美容師ですよ。3人くらいしかそういう人いないんじゃないかな。カリスマ美容師っていっぱいいますけど、彼が本当の意味でのカリスマ美容師でしょうね。」


そんなわけで、恵比寿ガーデンホールで行われたライブに行ってみた。

開場時間ちょうどに行ったが、長蛇の列。服装もなんか個性的な人たちが並んでいる。
美容師さんだったり、そのタマゴらしい。

そうか、火曜日に開催するのは、火曜日は美容院が休みだからか。

受付などのオペレーションはお世辞にも褒められたものじゃない。
わかりにくいし、はっきりしないし、徹底してないし。正直、頭に来た。

でも、ライブは僕にとっては最高だった。
すっげえかっこよかった、茂木さん。

近くの席の20歳前半の彼は、「オレ、爆睡しちゃった。つまんねえよね、これ」。

オレはすっごい興奮したけどね。

彼が口にしたいくつもの言葉で一番印象に残った言葉。

「僕たち、むちゃくちゃ練習してます。」

練習というのは、別に髪を切ることのような技術だけを意味しているのではない。
本を読み、映画を見て、うまい飯を食い、いっぱい遊び、いろいろな人と会う。
さまざまな経験を重ねる。
このことを美容師の「練習」と言っていた。

そういったたくさんの「練習」したことのほんの少しの部分が、
カットした前髪や横髪にちょこっと現れる。

でも、それがきっと練習している人としていない人との差になるんだろう。

来場していた半分くらいの人が、おそらく若手の美容師だったりそのタマゴだろう。
だから彼はそんなメッセージを投げかけたんじゃないだろうか。

だから
「boy は学校なんだよね。」
という言葉も出てきたのだろう。


飲食店を営んでいるMさんと、お茶をしたときに見せてもらった雑誌がある。
Mさんが「バーラジオ」というところで働いてたときに出された「別冊 太陽」。
表紙には「バーラジオは学校だ。」という大きな文字。

具体的にどんなことをしていたかは忘れたが、その雑誌をペラペラめくると小唄の練習をしているMさんの写真があった。
バーテンダーと小唄。

練習だよ、練習。

茂木さんがどんなすごい経歴を持った美容師さんなのかはやっぱりまだわからないのだけど、
かなりかっこいい人であることは間違いない。

練習練習。

そして全部の練習が本番。

コメント (4)

sachi:

本当に全ての部分に共感します。
私は美容師として働いています。日本を離れ今本当に練習むちゃくちゃしています。現在は週に3日4日のサロンワークをしています。日本にいたころは朝から晩まで 休みの日まで美容師の仕事内容の練習をしていましたが 今 その練習内容を変えて美術館や音楽をききにいったり 1人で旅行にいったり。 先週もミュニック ザルツブルク ウィーン プラハを回ってきました。ドイツでダッハウに行ったかと思えば次の日は大自然にかこまれて近代の美術館で自分の好きなアーチストの絵をみてクラシックのコンサートに行き昔ながらの街並みをみてきました。。
そのあとの仕事が明らかにできるんです。
今はロンドンで働いています。毎日 毎日いろんな人種の人に合え 文化 価値観のなか いろんな方の話が聞けて そこで日本のことなど話します。
宗教上髪の毛を見せれない方も個室ですることもありました。白人から黒人。
本当に持っている価値観 文化 考えてること 髪の毛 どれも違います。ただ1ついえることは良いものは良いんです。
私はいろんなことに興味があります。なんでもします。やろうと思えばなんでもできると思います。
人間は手 足を持ち頭で考えることができて心がある生き物です。そんな中 技術の進歩によりいい面も悪い面もでてきた世の中。日本の製品やらで環境なんとかというのも他国がいうのも分かります。しかし そのおかげで助かったもの便利になったものもたくさんあると私はおもいます。すなわち 一概に言い切れません、何が悪いということをは。。。
私は美容師の仕事をとうして人に優しい気持ちを作るスペース。優しい気持ちになれる時間イコール幸せになりたいとそんなことを思うきっかけを提供していきたいです。   

しんのすけ:

あ~、なんかいいなあ。
素敵な仕事ですね。

aaa:

数年前私はまさにboyに夢中でした。その空間での出来事1つ1つが事件的にうつくしくって刺激的でした。今は最後に行ったきりずーっとのばしっぱなし!いまはもう行ってないんだけど、時々むしょうに気になる存在です!

猿渡健太郎:

美容師初めて12年たちます。茂木正行さんを知ったのは十年ほど前、それは衝撃でした。食事をしたり新しい場所へ行ったり、音楽、芝居、文化に触れる、それらと出会うことが仕事だと。美容室は遊び場だと。子供が砂場で時を忘れ遊んでしまうように、夢中になって、楽しくって、どきどきする瞬間。何の迷いも無く美容を楽しませてもらえる、そんな熱いメセージでした。とにかく目の離せない集団、それがboyです!

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