木曜日に尼崎市のとある場所を訪問。
小学校1年生のちなちゃんがが足し算のプリントを解いている。
大量に間違いなおしをしないといけないらしく、その量に最初から集中力が切れている。
しばらくその子の横にいることに決めて、じーっと静かに見守る。
それだけで、彼女は問題に取り組むことができている。
ある1枚のプリント。間違えたのは1問だけ。
表面。
8+4=12
4+8=12
23+5=28
5+23=28
3+25=28
28+4=32
24+8=32
4+28=32
裏面。
5+5=10
10+5=15
5+10=15
10+10=20
15+10=25
10+15=25
15+15=210
20+15=35
15+20=35
20+20=40
彼女が間違っていたのは「15+15」だけだった。
「わかんない…」
「よーく見てご覧。もう一回よーく問題を見てご覧。」
15
+15
-------
と空いているスペースに書いて計算をしだすのだが、やっぱり答えは210。
5+5=10、1+1=2 だから、210なのだと言う。
どうやってこの子自身に正解を導き出せばいいのか迷う。
210にしたい気持ちもわかる。
「15ってさ、2つに分けると、いくつといくつに分かれる?」
自分で言いながら、わかりにくいアドバイスだな、と反省。
余計なことを言うと、ますます混乱させそうなので、とにかく
「もう一回、問題をじっくり見てみよう」とだけ繰り返す。
問題を表から順番に見返す彼女。
10+15=25
15+15=210
20+15=35
「じゃあさ、10+15=25でしょ。10+15と15+15って、いくつ違う?」
「…」
「10+15と15+15で違うところってどこ?」
「10と15」
「いくつ違う?」
「5」
「10+15=25でしょ、15+15はいくつになる?」
「30」
前の問題と比べてアドバイスするのが、果たしてよかったのかどうかはわからない。
ただ、問題というのは、やっぱりちゃんと考えて配列されているんだということに実感。
彼女はそれから1時間くらい、他のプリントの間違いを直していた。
機会があるたびに「15+15は?」と聞いてみたが、
自信満々で30と答えていた。
彼女、現在のプリントは引き算をやっている。
「引き算は簡単?」
「10引く…、は簡単なんだけど、11引く…になると難しい。12引く…も難しいんだ。」
何が自分にとって簡単なのか、難しいのか、具体的にわかっていることに驚いた。