きらきらと ほしはひかる ふゆのよる
「きらきらと ほしはひかる ふゆのよる」
授業中、プリントが早めに終わって裏に落書きしながら俳句をつくったよ。(かんた)
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「きらきらと ほしはひかる ふゆのよる」
授業中、プリントが早めに終わって裏に落書きしながら俳句をつくったよ。(かんた)
「あいつと俺とは戦友だ」のような言い回しがあるけれど、僕は嫌いだ。
僕は戦場に行ったことはないし、戦争も知らない。
だから、戦友がどんなものかもわからない。
戦友というのは、戦争を知らない僕らが想像できない関係なのだろう。
心のどこかで疑問に思っていたことを、時代によってさせられた人たちだけが使える言葉もあると思う。
さて、タツも一歳の誕生日を迎えました。
こんなにベビーチェアーで立ち上がる子は初めてです。
立ち上がり、逃げ出そうとする。
危なくてしょうがない。
座れば座ったで、「バイバーイ、ぼくをみてー!」という感じでニコニコと両手を振り、すべてを許される仕草をする。
みんなが抱っこするもんだから、つかまり立ちはすけれど、未だ自立歩行せず。
そんなわけで、一生餅もテーブルに手をつきながらなんとか持ちこたえた。
当然、ひっくり返り、泣きました。
(これを平然とぐいっと持ち上げたカイノスケはやっぱりすごかった。)
全国私立保育園連盟青年会議が発行している「ANSY Mail Magazine」というメルマガの2013年1月1日発行号に寄稿しました。
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「焦げた手袋」
長野県軽井沢町で活動している「森のようちえん ぴっぴ」(以下、ぴっぴ)の保育に関わるようになって4年が経つ。それまでの数年間は、世界に羽ばたくリーダーを育成するために、軽井沢町で全寮制の中高 一貫校の設立を目指して活動していた。本格的にその準備をするために2009年春から家族と共に生活の 場を軽井沢に移すこと になり、我が子が通う保育園や幼稚園を探していて出会ったのがぴっぴだった。
「軽井沢町内にあるキャンプ場と周辺の森を拠点にし、晴天時はもちろん、雨でも雪でも基本的には野外 で活動する。最近耳に することも多くなった"森のようちえん"や"野外保育"と呼ばれているスタイル」というような事前情報を頭に入れながらぴっ ぴを訪れたのは2009年1月20日。一面雪景色、氷点下15℃前後の気温。「今日は流石に屋内中心で しょ」、と思っていた のだが、しっかりと防寒具を身にまとった子ども達はずっと外遊びを続け、おむつ替え以外は屋内に入らなかった。倒木をロケッ トに見立ててのごっこ遊び。雪の中に腰をおろしてのおままごと。厳寒の軽井沢の森の中で豊かに遊ぶ子ど も達の姿。その光景に 感心しながら、我が子にもこういう経験をしてもらいたいとは思っていた。しかし、自分自身がここの保育に携わるとは、その時 点では夢にも思っていなかった。
その思いが大きく変化したのは、ランチタイムのある出来事がきっかけだった。厳寒の中でもランチは野外。焚き火を囲んで焼きおにぎりや手にもって食べられるおかずを立ったまま食べ る。2歳児のひさ君が 濡れた手袋を外し、それを乾かそうと焚き火の周りにある石の上に置いた。どう見ても手袋の火が移りそうな位置関係。その場に いたスタッフもひさ君の行動に気が付いているのだが、誰も何も声をかけない。スタッフが何もしないこと を怪訝に思っている と、案の定、手袋は焦げてしまいひさ君は泣き出してしまった。「やっぱり焦げちゃいましたね。」とスタッフに声をかけると、 「そうですね。でもね、ひさ君、先週は燃やし ちゃったんですよ。」とだけ答え、ひさ君を抱きかかえた。
その瞬間、頭をガツンと叩かれたような衝撃を受けた。前回は手袋が燃えるまで見守り、今日は焦げるま で見守ったスタッフ。 前回の失敗の経験から、火との距離感がつかめてきて、燃やすから焦がすに変わったひさ君。きっと次は焦がさずに乾かせるだろ う。安心して何度も失敗できる環境、関わりがここにはしっかり存在している。こうやってたくさん挑戦で き、たくさん失敗でき る安心感がある場では、子ども達が主体的に学ぶことができる。失敗がたっぷりと許容される場では、「わたしはわたしでいい。 わたしはここにいていいんだ。」という自尊感情が豊かに育まれ、他の人の自尊感情も認め合う関係性を深 めることができるにち がいない。ここはなんて豊かな場なんだろう。
それまでの私の教育観は、植物でたとえるならば、きれいな花がたくさん咲きますように、早くおいしい 実がなりますようにと いう、地面よりもはるか上の方ばかり見ているものだった。「わかった」「うまくできた」という経験を積み重ねて自信を深め、 世界に羽ばたくような人が育つ場をつくりたい。そう思っていた。その一方で、ぴっぴが大切にしているの は、根の部分。どんな に強い風が吹いても大雨が降っても倒れないように、しっかりと地中に根を広く深くはること。何度も挑戦し、何度も失敗したと しても揺るぎない自分自身を持つこと。そしてそれが許容される安心した場と関係づくり。こういった環境 では、タフな人が育つ だろう。どちらが正しいとか優れているということではなく、今の私は、根っこの部分、タフな人が育つ場にぐっと魅かれてい る。
こんな出来事があり、楽天時代から大切にしていた「正解より回答、思考より試行、成功より成長」が柔 らかく深い形でぴっぴ では体現されていたことを発見した私は、その年の4月からぴっぴの保育スタッフとして携わり始めた。保育者として4年目にな る今では週4~5日、保育の経験を重ねている。「しんさんっていつも遊んでるけど、仕事って何してる の?」「しんさんの現 場ってどこなの?」と不思議そうに尋ねてくる子ども達と関わり合いながら、私自身の失敗もたっぷり許容してもらっている。しばらくこの挑戦は続きそうである。